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当院からのお知らせ 狂犬病について
【狂犬病】
狂犬病は、日本では撲滅された感染症ですが、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど一部の国を除き世界中で、現在も死亡患者が出ている感染症です。狂犬病の犬に咬まれて感染することが多いので「犬」と名がついていますが、人を含め、全ての哺乳動物が感染し、発症すると確実に死に至る人畜共通伝染病です。
【病原体】
ラブドウイルス科に属する狂犬病ウイルス(図1)。消毒薬(ヨード液、エタノールなど)、熱、酸、紫外線に簡単に不活化される比較的抵抗性の弱いウイルスです。
図1. 狂犬病ウイルスの
電子顕微鏡写真 感染症発生動向調査週報より
【発生状況】
世界保健機関(WHO)によると、全世界で毎年3万5千〜5万人が狂犬病によって死亡しています。狂犬病はアジアでの発生が大部分で、アジア、アフリカでは狂犬病のイヌからの感染が多数です。また南米では、吸血コウモリによる家畜の狂犬病が経済的な被害を及ぼしています。北米およびヨーロッパなどではヒトの狂犬病は少ないですが、アライグマ、スカンク、キツネ、コウモリなどの野生動物の狂犬病を根絶できていません(図2)。

図2. 世界における狂犬病の分布
農林水産省動物検疫所提供(2001年調)
【感染経路】
狂犬病ウイルスは唾液中に含まれており、その感染動物に咬まれることや舐められることにより傷口から侵入し、侵入部位付近で増殖し、神経の中でさらに増殖をしながら脳まで到達します。極めて稀ですが、濃厚なウイルスによって口や目、気道など粘膜からの感染によって発症することもあります。
【症状】
人も犬も症状はほぼ同じです。
感染から発症までの潜伏期間は咬まれた部位などによってさまざまですが、一般的には1〜2カ月です。発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、食欲不振、悪心・嘔吐、喉の痛み、空咳などの風邪の症状ではじまり、咬傷部位の痛みや痒み、その周辺の知覚異常をともないます。
脳炎症状は運動過多、興奮、 不安、狂躁から始まり、錯乱、幻覚、恐水発作などの筋痙攣を 呈し、また犬は攻撃的になり人や動物に突然襲い掛かり咬みつ くようになります(図3)。
最終的には昏睡状態から呼吸停止で 死にいたります。
狂犬病は一度発症すると致死率は、ほぼ100%です!

図3. 狂犬病の犬
農林水産省動物検疫所ホームページより
【治療】
狂犬病には有効な治療はありません。
【犬の予防】
狂犬病予防法により犬の飼い主は、生後3ヶ月以降の犬に毎年一回、狂犬病ワクチンの接種を受けることが義務づけられています。
【人の予防】
*咬まれる前の予防(狂犬病発生地域への渡航の際)
渡航前に行き先の狂犬病発生状況を確認し、その国のガイドラインに従った予防措置を取りましょう。 ワクチンを4週間隔で2回、さらに、6〜12カ月後に1回接種して免疫を獲得します。
*咬まれた後の狂犬病発症予防
  • 狂犬病の可能性が低い日本国内の場合 通常、日本では現在のところ狂犬病の発生はないので被害者が狂犬病ワクチンを接種する事は稀ですが、傷口の処置と破傷風の感染予防が必要です。
  • 狂犬病の可能性のある動物に咬まれたりした場合 まず傷口を石鹸と水でよく洗い流し、医療機関を受診してください。発症すれば有効な治療法がないため、できるだけ早期に、ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリン(日本国内では入手がほとんど不可能)を投与する必要があります。WHOおよび日本では、発症予防としてのワクチン接種開始日を0として3、7、14、30、90日の6回を推奨しています。
【咬傷事故時の対処】
飼い犬が人またはペットや家畜などを咬んでしまった時は、犬の飼い主が直ちに各市町村条例に基づいて届出をする義務があり、または保健所へ届出をします。保健所の狂犬病予防員(獣医師)に咬んだ犬が狂犬病に感染しているか検診を受けなければなりません。 被害者が飼い主を訴えるような問題になる場合は必要に応じて警察が現場に立ち会うこともあります。 また、飼い主不明犬に咬まれた場合は被害者が保健所または市町村に届出をします。野犬、捨て犬の場合、保健所または動物愛護センターで保護し検診を行います。